Emerging Trends in Real Estate®アジア太平洋版
Emerging Trends in Real Estate®はPwCとULIが毎年共同で発表している不動産動向調査報告書です。3つのグローバル地域(米州、欧州、アジア太平洋)の主要な不動産専門家の見解をもとに、不動産投資・不動産開発動向、不動産金融市場・不動産資本市場、不動産部門、大都市圏、その他の不動産問題に関する見通しを提供しています。
Emerging Trends in Real Estate® アジア太平洋版 2020
世界金融危機から10年以上が経過した現在、アジア太平地域不動産は引き続き良好なリターンを生み出している。だが、現在のサイクルの終わりに向かって時計の針が進むなか、投資家は慎重な戦略に方針転換している。市場はピークを迎えつつあるのか、それともピークを過ぎたのかについて、明確なコンセンサスは得られていない。こうした状況が生まれている原因の一つに、アジア太平洋地域の市場が均質でないことが挙げられる。あるシンガポールのデベロッパーが述べたように「市場の低迷リスクが増大しているが、その状況は市場ごとに異なっている」。加えて、アジア太平洋地域の市場や部門はそれぞれ独自のサイクルで異なる段階にあることが多い。
Emerging Trends in Real Estate® アジア太平洋版 2019
アジアの不動産市場は強い向かい風に直面している。アジア太平洋地域の投資見通しおよび開発見通しが高い市場に、メルボルン、シンガポール、シドニーが名を連ねた。
主要トレンド:
物流施設が引き続き関心の的:投資家の意見が一様に強気となった唯一の部門であり、2018年に投資配分が大幅に増えた。
コリビングは住宅の新しいカタチ:都市の人口密度が高まり住宅コストが上昇するのに合わせて、より狭い空間により多くの人々を詰め込む手段として、デベロッパーはコリビングにますます目を向けている。
資本の流れは依然として堅調:アジア全体で流動性が高まるなか、巨額の資金が外国の不動産資産への投入を目的にクロスボーダーの流出を続けている。とりわけ、2019年には日本の新たな資金プールが資金流出の仲間入りを果たし、巨額の流出が続くと予想される。
Emerging Trends in Real Estate® アジア太平洋版 2018
過剰な流動性が生まれており、アジアの不動産に大量の資金が流れ込んでいる。アジア太平洋地域における不動産投資の見通しでシドニーとメルボルンがそれぞれ1位と2位になった。
アジアの不動産に投資資金が向かっており、その最大の要因は過剰な流動性となっている。アジア太平洋地域のソブリン・ ウェルス・ファンドや機関投資家向けファンドは巨額の資金を貯め込み、アジア太平洋および世界の不動産に多く投資している。その結果、資産を巡る競争が激化し、不動産投資は根本的に、多くの場合意外な形で、変化しつつある。こうした変化には従来のリスク/リターンの分類の崩壊、期待リターンの変化、コア投資家とオポチュニスティック投資家のバリューアッド投資への移行、通常とは異なるアセットクラスへの投資、従来関心をほとんど集めなかった市場、などが挙げられる。
Emerging Trends in Real Estate® アジア太平洋版 2017![](https://ulidigitalmarketing.blob.core.windows.net/ulidcnc/sites/3/2020/03/Screen-Shot-2020-03-05-at-10.32.06-213x300.png)
アジア太平洋の不動産業界ではコア資産に対する需要が高まっており、ますます入手が困難になっている。2016年上半期に取引高が減少したが、これは不動産所有者が資産の売却よりも、低金利でのリファイナンスを選んでいることによる。総じて投資家は、取引の全体件数は減ったが、1件当たりの取引金額は拡大したと指摘している。キャップレートは低下を続けており、大半の投資家は、さらに低下する可能性があると見ている。現在、膨大な資金が不動産に向かっており、キャップレートの低下傾向は限界に近付いている可能性がある。