ULIジャパン メンバー独占インタビュー ティモシー・グレガーセン
第三弾:クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社
ULI NEXTジャパン コ・チェアのティモシー・グレガーセン氏にお話しをお伺いしました。
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社
インベストメントセールス シニアマネージャー
NEXT コ・チェア
ティモシー・グレガーセン
ティモシーはカナダのトロント出身で、10年以上日本に在住。彼は日本語が流暢で、日本で数少ない北米生まれの宅地建物取引士。
ティモシーは、クロスボーダーの取引の専門とし、APAC地域全体からの機関投資家および富裕層投資家に対し、日本の不動産取得・売却等を手伝う。また、日本の企業及び機関投資家の海外の不動産の取得及び売却のサポートも行う。
1)外国人投資家の間で、まだ日本に対する強い投資意欲があると感じますか? | 外国人投資家は出身地域に関わらず、今でも日本の不動産に対して強い意欲を持っている。そのなか、北米、欧州、アジア由来の投資資金に関しては強い関心をもっている。渡航制限があるために直接または信頼するアドバイザーを通しての現地の確認を行うことが、その関心を取引の成功裏な完了につなげられるかどうかに大きく影響する。 | ||
2)どの部門が最も強いですか? | どの部門が最もレジリエントだと思うかという質問であれば、それはあらゆる面において多世帯住宅と物流施設となる。多世帯住宅は日本、特に東京では従来から非常に安定し、賃料滞納も少なく、これからも強いキャッシュフローをもたらすための状況が整っている。物流も同じような点で、新規物件を中心に投資家とテナントのどちらからも需要は高い。
また投資家の関心が最も強い部門がどこかという質問だとしたら、これに関しても物流施設と多世帯住宅が強い関心を集めていると言わざるをえない。ただ、海外投資家から行き詰ったホテル投資の機会について質問されない日はない。 |
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3)年内のこれからの情勢について停滞するか好調となるか、どのようにお考えですか? | 市場活動は6月以降著しく回復し、7月の新型コロナウィルスの感染者数の増加にもかかわらず、新規物件の供給が続いている。年末までは同じような動きが続き、2020年は2019年を若干下回る取引量となると考える。 | ||
4)貴社の投資家顧客は投資判断の際に、健康をどの程度重視していますか? | それは実際の投資判断というより、どちらかというと資産運用の判断の課題となっている。なので、そのような議論にはあまり関与しないようにしている。 | ||
5)日本の不動産市場を更に活気付けるためにはどのような進化が必要と考えますか? | 通常だとこのような質問に対しては、少なくとも商業用不動産の賃貸借契約に関して古臭い借地借家法を包括的に改定することだと答えている。テナントはあまりにも容易に所有権を人質に取って不動産価値を引き出す道筋を阻むことが可能になっている。 |